STUDIO MASTER PROFILE
Thakoon Panichgul / ファッションデザイナー
【講師プロフィール】
ファッションデザイナー/ Thakoon Panichgul
THAKOON(タクーン)のコレクションは、デザイナーであるThakoon Panichgul(タクーン パニクガル)の様々な経験を反映したものです。タクーンはタイに生まれ、ネブラスカ州のオマハで育ちました。そして現在、ニューヨークを拠点に活動しています。タクーンには、女性らしさを若々しいスポーティーなラインに反映させるなど、本能的に異なる要素を上手くミックスさせる才能があります。そして、それらの様々な要素が、結果として彼のコレクションに遊び心のあるウィットとエレガンスさを加味しています。
服とファッションは、幼い頃のタクーンに強い影響を与えるものでした。それは、彼が現在の成功を収めるために必要なものだったのです。タクーンの母親と祖母は縫製のエキスパートであり、彼女たちからハンドメイドのソーイング技術を学びました。また、生地の組み立てだけでなく、どのような心構えで服作りを行うべきかを学ぶことができました。このような幼年期を経て、タクーンは、確固たるクリエーションの基礎を作りあげていきます。それは、『どのように服を着るかは、何を着るかと同じくらい大切なことである』という考えに集結します。
ボストン大学で経営学を学んだ後、タクーンはニューヨークに渡り、J.Crew(J・クルー)でキャリアの第一歩を踏み出します。そこで、まず初めに、プロダクション(生産)、その後マーチャンダイジングを経験し、ファッション・ビジネスのノウハウを鋭く見抜く目を養いました。その後、ハーパース・バザーで4年間、ライターとエディターを務め、スタイルニュースの取材やトレンドの動向、ファッション・ストーリーの立案などに携わります。そのような中、タクーンは、自身のアイデアがデザイナーとしての視点であることに気づきました。これが、彼がジャーナリズムの仕事からデザイナーへの道に進む決意を促すきっかけとなり、パーソンズ・スクール・オブ・デザインに進学します。
2004年秋、何年もの経験を得て、タクーンは初のプレタポルテのコレクションを発表します。コレクションは親しいエディターやスタイリスト、セレブリティ達の間で瞬く間に話題となりました。タクーンのユニークで他に類を見ないコレクションは、ロマンティックで官能的、そして、モダンで革新的な女性らしさを提案しています。
デザイナーとしてのタクーンは、従来の服作りの固定概念を覆し、独自の装飾スタイルに魅了されていると言っても過言ではありません。クラシックなパターンを何年も続けているようなコレクションは、仕上がりにおける見直しや、何らかの革新的なニュアンスが必要となりますが、彼はそれらの緻密な行程を妥協することなく、常に新しいコレクションを提案し続けることに努めています。タクーンのコレクションはいつも前進しているのです。もちろん過去のファッションに敬意を表しますが、ヴィンテージライクなものは作りません。事実、彼の繊細で非構築的な発想によるコレクションはモダンで、Madelaine Vionnet(マドレーヌ・ヴィオネ)(*注1)の理念と言うよりもアントワープ6人衆(*注2)のスタイルに影響を受けています。その理念は、L.A.の新星女優にふさわしく、彼女たちのような現代のポンパドール婦人(*注3)にパーフェクトなのかもしれません。
タクーンはファッション界から多くの賞讃を得ています。2006年にはCFDAファッション・アワードのスワロフスキーズ PERRY ELLIS(ペリー・エリス)(*注4) 賞のウィメンズ・ウェア部門にノミネートされました。また、同年のCFDA/ヴォーグ・ファッション・ファンドにも選ばれています。
さらに、2006年11月には、ブランドの新たなアイテムとしてアイウェイ・コレクションを発表しました。
コレクションの詳しい情報は以下のウェブサイトをご覧ください。
http://www.thakoon.com/ * 注1)Madelaine Vionnet(マドレーヌ・ヴィオネ・1876−1975)は、バイやスカッとの母といわれるほどファッション史の潮流を大きく変えたクチュールの巨星といわれている。
* 注2)アントワープ6人衆 /ドリスヴァン・ノッテン、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、アン・ドゥムメステール、ダーク・ビッケンバーグ、ダーク・ヴァン・セーン、マルタン・マルジェラによるアントワープ王立アカデミーファッション卒業生を代表とする6人
* 注3)ポンパドール夫人 / 本名 Jeanne-Antoinette Poisson (1721-1764)。才気あふれる女性で1744年フランス王ルイ15世(Louis XV)の目に留まり愛人となる。夫と離婚し、Marquise de Pompadour の称号を受ける。
* PERRY ELLIS(ペリー・エリス)/ 米国、バージニア(Virginia)生まれのファッション・デザイナー
(1940-1986)
ファッションジャーナリスト/宮田 理江(みやた・りえ)
複数の国内・海外ファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤーやプレスも経験。売り場経験を生かした現場主義・消費者目線でのファッショントレンド解説や、今を発信するリアリティある記事に定評がある。「NIKKEI NET」「日経ウーマンオンライン」「産経新聞」をはじめ、多彩なメディアでコレクションやトレンド、マーケティング情報を発信。テレビや雑誌でのコメント、セミナー、ブランドプロデュースも手がける。