




2010/06/05(土) 14:00〜16:00
時代を創るファッションブランド10
「ファッションは時代の空気を反映しながら、
生き物のように変化するもの。
だからこそファッションには常に敏感でいて欲しい。」
記念すべき100回目のDAY STUDIO★100のゲストは
「WWDジャパン」「Fashion News」の編集長である山室一幸氏。
編集者の目から見るコレクションやファッションについて
熱く語ってもらった。
『ファッションの動向を伝えるプロの目を通して』
多ければ年間420回もファッションショーへと足を運んでいたという山室氏。
その多忙さは想像に難くない。
トレンドの中心地への印象を話してもらった。
『トレンド発信の最先端』
コレクションサーキットの最初の街であるNYは
昨日まで無名だった人物が一晩で有名になれる街なのだとか。
アメリカンドリームを掴む、新しいスターを生み出す力に溢れている。
その一方で経済、ビジネスを中心に考えるシビアな一面も。
「他のコレクションでもてはやされてもNYでは売れなければ
評価されない」のも世界経済の中心であるが故の厳しさである。
『普段着を贅沢に』
「ミラノコレクションはトレンドが一番わかりやすく
リアリティのあるファッションが多いです。
コレクションのままの衣装やヘアメイクで街に出ても
違和感がないくらい」。
もともと生地を作っていた強みを活かして、
世界で最も贅沢なファッションを日常に取り入れている。
またDolce&Gabbanaやアルマーニなどのパワーブランドが多いため、
なかなか新人が出てくることがないのだとか。
『体感すべきファッションショー』
「パリで印象深いのはAlexanderMcQueenのファッションショー。
今はファッションショーの映像配信ができるけど、
彼のショーはその場にいてその空気に触れることの良さが
間違いなくあるショーだった」。
その世界観、テーマ、作品を発表するにあたって
いかに芸術的空間を作り出すかという手法。
ちょっと病んでいるような、彼の中には
人間の醜さを抉り出すようなものがあったと山室氏は言う。
「造形力やアイディアの力が本当に素晴らしく、早熟の天才だったのだと思います」。
『夢、伝えたいことがあるのがモードである!』
編集の仕事に就いてから、ブラックマンデーや湾岸戦争、
9.11同時多発テロなどをきっかけに
ファッションジャーナリストってなんだ?
という自問自答を繰り返していた。
「同じ地球上で戦争が起こったり、経済が大きく破綻したり。
煌びやかなファッションに意味があるのか?と」。
考えて出た結論は
「ファッションは一番敏感に時代の流れを捉え表現して、
メッセージになりえるものだ」
という力強いものだった。
メディアという立場から、
ファッションショーの感動を与えることができる。
「夢や希望を与え、時には人生観まで変える力が
ファッションにはあると思っています」。
ゲストへの質問
Q.雑誌の電子化についてどう考えますか?
A.もちろん雑誌自体はなくならないと信じているけど、
電子化は出版社にとって脅威であり次への発展でもあります。
例えば紙を捲るわくわく感が失われるのと引き換えに、
クリックすると写真が動画となって動くという面白さが
味わえるようになる。
進化を受け入れ、これからどうなるのか予測し、
守るべきところは守っていく。
これがこれからの出版社の課題だと思います。
Q.日本におけるラグジュアリーブランドの重要性とは?
A.80年代以降、グローバル化が進む中で
市場が広がりブランドは更に利益を追求する必要が出てきました。
そこで日本を市場の模範とし、商品を売ってきたわけです。
しかし今は中国というさらに大きな市場が存在し、
日本で大量に消費させる必要がなくなった。
これからは本来のラグジュアリーブランドとしてのあり方である、
高所得者をターゲットに絞るようになるのではないでしょうか。
STUDIO MASTER PROFILE
山室 一幸/WWDジャパン兼Fashion News編集長
「WWDジャパン」編集長
「Fashion News」編集長
「WWDビューティ」編集委員
「ファッション通信」エグゼクティヴプロデューサー
1985年より「ファッション通信」(BSジャパン)の番組プロデューサーとして、
20年以上にわたってパリ、ミラノ、ニューヨークを中心に
世界各国のファッションシーン最前線を取材。
2006年5月よりファッション週刊紙「WWDジャパン」編集長に就任。
最新トレンドから社会事象まで独自の視点で斬りまくる辛口編集長コラム
「多事装論」が業界関係者から好評を得ている。
また2007年9月に創刊された日本初のビューティ週刊紙
「WWDビューティ」の編集委員も兼任。
ファッションとビューティの両面から時代を分析する。
ファッション・ジャーナリストとしても、
テレビ、ラジオ番組への出演、雑誌コラムやエッセイの執筆、
各種セミナーやトークショー、イベント司会等、メディアの枠を超えた
様々なジャンルでファッション評論を展開している。
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